15歳の高校生・風見トオルは、日々を静かにやり過ごすだけの普通の少年だった。
ある日、彼のスマホに届いたのは――人間関係や記憶を“数式”で記録・解析できる謎のアプリ。
見えなかった感情が“数値”として可視化され、誰かとの関係性さえも操作で
きるようになる世界。
けれどそれは同時に、「記録されなかったものは存在しない」という恐ろしいルールを意味していた。
そして現れる、クラスの誰も知らないはずの転校生・一ノ瀬千紗。
彼女の存在は、すでにこの世界から“観測されていなかった”。
これは、“数式に支配された日常”の中で、
本当のつながりと「忘れられない記憶」を探す、静かな反逆の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 20:00:00
6201文字
会話率:32%