パウエナが最後の自立機動兵器エグゼキューターを破壊した時点で、人類の生き残りはわずか二十一名だった。
人類は戦いに勝ちはしたが、絶滅は目前だった。
兵士としての役割を全うしたと考えたパウエナは、司令官に対してそれでも子供を産んで増やすと強弁
する。
しかし恋をしたこともないパウエナのそれは、子供の戯れ言でしかなかった。
司令官は代わりに塔の地下にある播種船の本体に、人類の遺伝的多様性を取り戻す鍵を取りに行くよう命じる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-07 07:00:00
5513文字
会話率:32%
産まれながらにして『吸魔』の能力を持っていたファナは、領主の正室の一人娘であるにもかかわらず地下に幽閉されて育った。
意図せずして、他人や道具に込められた魔力を吸い取ってしまうためだ。
母親は彼女を産むと同時に亡くなり、城の中では側室だっ
た義母と腹違いの妹が実権を握っていた。
ファナは夜な夜な部屋を抜け出しては、地下の隠し通路を通って、城の書庫や庭のハーブ園へと遊びに行くことを楽しみにしていた。
十歳のある夜。
地下牢から、悲しげな泣き声が聞こえてきた。
幽霊を期待してこっそり見に行くと、そこにいたのは子犬の獣人。
怪我をし泣く子犬を哀れに思い、自室に連れ帰り手当てをする。
さらに、城の裏手の森の中まで迎えに来た家族に彼を返すと、子犬は自分のたてがみの一部を切ってファナに渡し言った。
「大きくなったらお嫁さんになってくれる?」
子供の戯れ言と頷いたファナだったが、七年後、彼は本当に再びやってきた。
見たこともない翼の生えた馬を駆り、結納金代わりの大量の宝石を携えて。
東の果て獣人の国の第二王子であった彼は、最早『子犬』とは呼べない美丈夫に成長し、しかし中身の純真さはそのまま、ファナに一途に好意を伝え続ける。
嫁いだ獣人の国では、愛される第二王子の命の恩人にして運命のつがいと国を挙げての歓迎ムード。
さらに忌み嫌われてきた『吸魔』の能力は、実はファナを介して豊穣の女神へ魔力を捧げていたと分かる。
獣人の国はますます豊かに。
一方、女神の加護を失った生まれ故郷は、干ばつや水害などが続き、市民は食べる物にも窮するように。
そんな中でも贅沢を止めない王族に、ついにはクーデターが起きる。
だが獣人達は決してそのことをファナに伝えない。
心優しい姫君が助けに行くなどと言わないように。
愛すべき第二王子夫人が心穏やかに幸せに暮らせるように。
彼女を虐げてきた国が滅んでいくのを、目を細めて見守るのだ。
※【interlude】と書いてある章はメイドのカミル視点です。
※この作品は「アルファポリス」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-16 22:11:29
39719文字
会話率:29%
聖騎士セフィーリアは、今日も悪党退治のぶらり旅。
しかし彼女には一つの悩みが──それは、少女のあどけない容姿と丸腰の旅姿のせいで、聖王国最強の聖騎士だと名乗っても信じてもらえないことだった。
そして今日もまた、山賊に苦しめられている村を訪問
しても、子供の戯れ言と思われて頭をなでられてしまい──
素手でも無双しちゃう系女子のセフィーリアは、「武装」をすればまさに最強無敵の鉄壁乙女!
一見丸腰に見えたって、「武装」はいつも彼女の胸元に!
最強聖騎士セフィーリアの、勧善懲悪・無双旅!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-08 17:06:28
20821文字
会話率:35%
人間について今、私が言えること。
最終更新:2014-03-30 19:50:46
600文字
会話率:0%