俺……フェイは見知らぬ部屋で目を覚ました。まず、目に飛び込んできたのは俺が寝ていたベッドだった。そのベッドは一目でわかるほど豪勢で、大人三人が余裕で入るほど大きかった。
なぜこんなところに俺みたいな人間の一般人が? そんな事を考えていたら
横から凛とした少女の声が聞こえてきた。
「ようやくお目覚めか、待ちくたびれたぞ、私の竜殺し殿」
声のした方を振り向くと血のような深紅の長い髪をなびかせ、真っ赤なバラ色のドレスを身に纏った少女がいた。
「お前はいったい何者なんだ?」
「私か? 私は今日からお前の嫁になる者だ!」
俺の問いに対して少女はその豊かな胸を揺らしながら、こちらを指差し自信満々に答えた。少女の突然の発言で唖然としていたが俺はある事に気づく。少女をよく見てみると人間にはあり得ない部分が多々見受けられた。目についたのは蛇のような眼に側頭部から生える二本の角、背中にはコウモリのような翼、そして腰からは鱗を纏った尻尾が生えていた。これは噂に聞く、人間と敵対している魔族の特徴ではないかと思い身構えた。
「なぜお前のような魔族が俺の嫁になるなどと訳の分からない事を言い出すんだ?」
「訳が分からないとは失礼な、あんなにも激しく思いをぶつけあった仲なのに」
「そんな覚えはない! お前は本当になんなんだ!」
俺が怒鳴ると少女は悲しそうな表情をした後、こちらに近づいて耳元で囁いた。
「私はお前と殺し合いをしたドラゴンだよ」
俺は今までに何が起こったのかを思い出した。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-01 11:18:20
46581文字
会話率:60%
召喚されたと思ったら会話すらなく飛ばされた。
足下には紙が一枚。
ドラゴンを倒せって?
…まかせて姫さま!そのくびれにかけて!!
最終更新:2015-02-07 03:11:07
1943文字
会話率:25%