「お前は、いじっぱりやから、俺が死んだら引きずるんやろうなぁ。でも、俺は、そんなんうれしない。さっさと俺のことは忘れや……」
志保の最初の男は、18才で心筋症の発作を起こし死ぬ間際にそんなことを呟いた。
その言葉は彼女を縛り付け、12年。
「志保」は生まれ変わり、「姫埜」になった。
「狼谷志保」はあの時、最初の男と心中したのだ。
彼女は、30才になった今、「淡島姫埜」と名乗り、主にアパレル系の会社を経営する女社長になっていた。
彼女の12年来の主治医は彼女を「ワーカーホリックや」と言い、苦笑する。
「なぁ、オネーサン。オレらのこと拾ってよ。オレのこと好きにしていいからサ」
ある10代の兄妹に出逢ったのは、桜が散り始めた4月のことだった
その出逢いがまた、恋心により彼女に熱を持たせるきっかけになる。
志保は、いや、姫埜は、またあの熱に狂いたくない
もう、失いたくない――――――……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-29 13:15:21
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会話率:38%
ダメな女経営者が良くやること
最終更新:2015-05-07 11:39:43
659文字
会話率:0%