原稿料未払い、作品無断使用は当たり前……。
無名漫画家の絶望と挫折、諦めと忘却。
無名がゆえに差別される職業……、
卑賎な自己と相克に打ちのめされ、
どんなに刻苦勉励しても、
結果がすべての世界では
評価されない。
ただ、見下されるだけ
!
無名漫画家は寝転んで吠える。
辛酸に満ちた漫画道、
マッチ1本の明かりほどの小さな才が
揺れまくる……、
誰かに認められたい……、
悔しくて、悔しくて、
寝返りを打って、のたうち回り、
枕元に栗の花一輪、二輪……、
毎日が悶々とした不愉快な目覚め。
そして、また陽は昇る。
希望はいまだ見えず。
足元に蠢く黒い絶望。
売れたい、
ヒット作が欲しい、
……浅い感情だけだが
絶望の底をぼんやり照らす。
成功は自信、失敗は経験と
呟いては立ち上がるが、
時は残酷なり。
金なし、宿なし、人脈なし、
歯はぬけ、毛はぬけ、魂ぬけ……、
寂寞の思いと裏腹に、
心の奥から地獄の窯を
煮詰めたような憤怒の感情。
見下され続けた負け犬根性の
熱量だけで書き上げた7万文字。
こっそりと生きた証に墓石としてここに置く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 12:26:21
50685文字
会話率:12%
「なにやってんだ!お前どんだけ使えないやつ奴なんだよ!! 」
課長の怒鳴り声に青ざめ動揺し、必死に慰める先輩の様子にも気づけない。
旅行会社に入社したばかりの新人にはよくある手配ミス。しかし、彼女は死を選んだ。睡眠薬をありったけ飲み眠
りについた彼女は、気がつくと暗闇の中にいた。
聞こえてくるさまざまな声。後悔、反省、懺悔、そして詫び。それぞれの嘆きを聴くうちに、深く傷ついていたはずの彼女の思いは変わっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-30 19:57:02
10757文字
会話率:17%