目的があってアンルーヴという町にやってきたらしいマルールこと「わたし」。しかし、町の周囲は断崖に囲まれ霧深く、視界の悪さに足を踏み外したマルールは真っ逆さまに落ちてしまう。目を覚ましてから、町の人から魔女と疎まれるエルネスティーに助け出さ
れたことを知ったマルールは、同時に自身の記憶が失われていることにも気づく。目を覚ました場所はエルネスティーの住む町の地下で、マルールは記憶が戻るまでのあいだ彼女とともに過ごすことになった。
普段は楽しく平穏な日常。しかし平穏な日常に困難は向こうからやってくる。エルネスティーを狙う暗殺者、無差別に襲いかかる疫病、そして忘却の彼方から、パパと、記憶を失う前のわたし自身が──。
全てが交差し終わりを告げる、タイムリミットは一年間。次第に明らかになるエルネスティーの過去とマルールの記憶。
とじた過去からひらけた未来へ、これはそのための「今」という通過儀礼。
※カクヨムにて完結済。
※全3章(約80話)です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-17 12:29:59
399813文字
会話率:53%