かつてテストプレイ中にログアウト不可となった、世界で初めてのVRゲーム。その中で敵幹部の女の子になってしまっていた僕は、何とか無事(?)生還する。
……それからしばらく経ち、刷新された運営側の一員として、そのゲームに関わって日々を暮ら
していたものの……気がついたら僕は死んでしまっていたみたいで、しかもなぜかそのゲームの世界に見知らぬ女の子の姿で転生したようだった。かつての自キャラの、読心など精神魔法特化の能力を持ちこしたままで。
そしてある日、ゲームの魔物を召喚できるアイテムを見つけた時から、世界は少しずつ動き出す……。――いつかは家に帰りたいと願うTS(男→女)転生者と、どこかゲームで見たことがあるような、異世界の人々のお話。 『ゲームの中で魔王から世界を救おうと思ったらジョブが魔王軍のスパイだった』の続編になりますが、単体でも読めなくはない……はず? 令和2年5月24日完結しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-24 22:33:33
540763文字
会話率:60%
恋愛シミュレーションゲームを終え、「こんな世界に行けたら」と願った俺は、いつの間にかその世界のヒロインの1人になっていた。ちなみに理由は全くわからない。
そして調べてみたところ、ゲームは既に始まっているようで、しかも俺がなったヒロイン
のルートに現在着々と進んでいる最中らしい。ただ、当然ながら、俺は男と恋愛するのはまっぴらごめんだった。よってそんなルートは絶対拒否だ拒否。
……しかし俺は同時に知っていた。この世界がゲームと同じならば、主人公が誰とも結ばれないバッドエンドを迎えてしまうと、キャラはだいたいみんな不幸になる。……それも避けたい。だから俺は決めた。「他のヒロインに主人公を押し付けて、俺は身を引かせてもらおう」と。
ところが最近、主人公の手を引いてあっちこっちに振り回す俺を、なぜか他の皆は微笑ましいものを見るような目で見ている、そんな気がする。今日もヒロインと主人公をうまく結びつけられなかった俺は、そっと溜息をついた。もういい加減、そろそろいいんじゃないか。なあ……。
「そろそろこれが夢だって、誰か言ってくれねえかなぁ……」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-20 12:12:50
189222文字
会話率:60%