旧く尊き血脈は、より濃く、深くするべし。
そう唱える祖父にその身を穢され続ける少女・タニアと、そんな彼女と共に育てられた異郷の少年・コウタ。共に育ち、夢を見て、少しずつ絆を深めていくふたりの手を引き離すのは、無慈悲な「使命」の檻。
ふたりが互いに向ける淡い思慕は、恋と実るべきものか、傷の舐め合いに過ぎないのか。それぞれの背負う定めが向かう先とは……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-30 18:00:00
2165文字
会話率:27%
『冷血』と呼ばれる騎士アルトゥーロ。
ある日幼馴染の頼みで、訳ありの騎士見習いエレナを雇うことになった。
気の強い少年だと思ったのもつかの間、エレナは厄介で胡散臭い女だった。
庶民上がりで騎士の品格ゼロのアルトゥーロと、そんな彼を尊敬でき
ないエレナ。おかしな主従関係だったけれど、やがてアルトゥーロは彼女に恋をする。
ところが、エレナは仕事中に殺されてしまった。
そこから何故か逆行して、出会う前に戻ったふたり。アルトゥーロは全てを覚えていたが、エレナは……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-21 10:29:16
218411文字
会話率:45%
困難な恋ほど熱く燃え上がる。でもそれは、火種ありきの話だ。
青春を謳歌しようとしていたはずの芦間文理(ぶんり)は、肥大した妄想の果てに、男子校に入学していた。それが間違いだと気付いたのは高校へ入学してから数か月後のことだった。
自らの愚か
さを受け入れ、筋肉質な三年間を過ごそうとしていた決意したある春の日、経営破産した自校と、隣の女子校が合併する知らせが芦間のもとに届く。
枕を濡らして泣いたあの日の決意と単純な情欲が入り混じった結果、芦間は脳が破壊されてしまった。
そして数か月経ち、舞台は高校二年生の夏。
企画委員の芦間と友人が文化祭に向けた案を練っていた。その合間の雑談の中であがった一つの話題。それはALTの外国人教師が担当の教室を毎回間違えるという、明らかに不自然なものだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-29 17:00:00
43832文字
会話率:45%