男爵令嬢アネット・ロッツェンは、人狼だと噂されている。
彼女は生まれつき、月酔病という病に侵されていた。満月の夜になると苦しみ悶えるという病気で、原因も治療法も不明だ。
満月の夜に城の塔に引きこもってうめき声をあげる事から、人々は彼女を人狼
だと噂する。
人狼令嬢に、結婚の話などあろうはずもない。そう諦めていたおりに、結婚の話が舞い込む。
相手は、国内で最も広い領地を持ち、最強の武力を誇るシュトガル辺境伯のルーカス・フローシュ。
しかし彼は吸血鬼との噂がある。
彼だけでなく、城に住む使用人もみんな吸血鬼で、シュトガル城は吸血鬼城だとも噂されている。
しかし、自身が人狼と噂されて困っていたアネット。ルーカスもきっと、誤解をされているのだと思い嫁ぐことにする。
しかし嫁いですぐに、アネットが人狼ではなく人間の女であることを知ったルーカスに、仮面夫婦を申し入れられる。
吸血鬼の愛情は、吸血行動と支配欲求に繋がっている。愛する相手を吸血して殺し、吸血鬼にしてしまうのが本能なのだ。
ルーカスは、愛する相手を吸血鬼などにしたくない、と思い三百年の間独身でいた。しかし大吸血鬼から、疑われないように結婚をしろと迫られ、探したのが人狼と噂されるアネットだった。
初めて会ったときからアネットに惹かれていたが、人間のアネットから吸血するわけには行かないと、愛することを拒否する。
しかし、次の満月の夜、一人部屋で錯乱することになったアネットをつい抱きしめてしまい――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-07 08:00:00
17979文字
会話率:31%
【生きるためには他者の死を己のモノにするしかない】
世界を生んだ主神(しゅじん)は退屈だった日々に飽き、
黄金の民達に対立する白と黒の力を与えた。
強大過ぎる力は命を削るものであり、命を繋ぎその力を
己のモノにするためには純血の白と黒の王が
戦い、勝利しなければならない。
【勝利した王とその戦士たちには
世界を手に入れることの出来る力を与えると約束しよう】
時代は巡り、黄金の血が薄れていく中で
その血を率いる少年神谷リキの黒の王への覚醒が迫る
そして千年振りの主神が生み出した命を掛けた遊び【KILLA】が
始まろうとしていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-12-10 13:29:38
15481文字
会話率:35%