十二歳になった時、人は誰しも儀式でスキルを授かる。冒険者を夢見るガレナが儀式によって得たのは『合気』という謎のスキルだった。それは攻撃を受け流すことしか出来ない上、多くのスキルに備わる進化や派生が不可能という外れスキルであった。しかし合気の
可能性を捨てきれないガレナは山籠りし修行に明け暮れる。そんなガレナに一人の冒険者が興味を示す。合気を嗜むという流れの冒険者は山のずれすらも合気で受け流し元通りにしてしまう程の達人だった。大岩程度なら軽く受け流せるようになっていたガレナだが己の未熟さを痛感し冒険者の指導を受ける。その冒険者は別れ際、自らがF級冒険者であることを告げた。冒険者の底なしの強さを知ったガレナは冒険者の道を諦め道先案内人の仕事に就く。だがガレナは気がついていなかった。長年修行していた山は危険な魔獣や竜が跋扈している魔境であったことを。そして師事した相手が伝説級のとんでもない冒険者であったことを。そしてガレナの合気は攻撃も魔法も現象さえも受け流す最強のスキルとなっていたことを。しかしそんなこともつゆ知らず無自覚なまま道先案内人となってしまったガレナは案内相手の危機を幾度と救い本人も気づかないうちに最強の道先案内人として知れ渡っていくこととなる――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-13 18:02:07
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会話率:56%