何者にもなれなかった男が、異国の空の下に立っていた。
輝きは誰かの手に渡り、栄えある道はもう踏みならされていた。
名を残すこともなく、誰に知られることもなく。
それでも、小さな火を絶やさぬようにと、今日を生きる。
終わりでもなく、始まり
でもない。
――その“あいだ”に、ひとつの歩みがあった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 16:05:31
5702文字
会話率:6%
王宮は野望や欲望や打算や陰謀がぐーるぐるとぐろを巻いています。
あるいは、王自身がすでに何かに堕しているのかもしれません。
ぐるぐる、ぐるぐるめまぐるしく変わる宮殿で、それでも取り残される者。
翻弄されずに健やかに、との望みに形はあ
りません。
ありませんが、あるいは。
他サイトのタイトル競作に出展した旧作品です。やや改稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-13 10:45:38
484文字
会話率:50%