誰もいない図書館では、ロボットたちだけがいつもみたいに働いていた。わたしはそれを、カウンターの向こうから一人で眺めている。何しろ、この図書館には百年近く、誰もやって来ることなどないのだから。
ところがある日、騒々しい足音とともに二人の人
間が姿を現す。銃を持ち、緊迫した面持ちのその二人に向かって、わたしは言うのだった。
「――ようこそ、いらっしゃいました」
けど、どうも様子がおかしい。その二人はぎょっとした表情を浮かべて、こちらを見るのだった。ようやく現れた、初めての来館者だというのに――
(17/6/14~17/6/19)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-24 00:00:00
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