とある山道を登ること二十分。見えて来た古ぼけた朱い鳥居をくぐり抜けた先に、その場所はあった。
世間から遠ざけるように、世界から守られるように在る不可侵のそこには、穏やかな時間が流れる。
何人たりとも寄せ付けない、如何なるモノも知ること
すらできない、神秘の領域。
そこに住まうのは、自ら神隠しに遭った――――家族愛拗らせ気味の青年と、隠された子ども達。
これは原典に至る、青年の愛する家族の自慢話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-08 23:59:23
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会話率:3%