2004年。桃園ゆかりさんは福井市でひとり暮らしの大学生です。ここ数年、男性関係で嫌なことばかり続き、子ども時代の明るく元気な面影はなくなっています。
そんな彼女を元気づけてくれる友人とその母親の勧めで、母親の知り合いの家に引っ越しを考
えます。愛宕坂の途中にある古ぼけた駄菓子屋の二階、窓からは趣きのある景色が広がり、彼女はすぐに引っ越しを決めました。
荷物はたいしてないけれど、細い階段の坂道ですから、友人と何度も行ったり来たり。ようやく荷物を運び入れて、大家さんと部屋の掃除をしていると、押し入れに木彫りの小さなお地蔵さんを見つけます。
「欲しかったらどうぞ」と大家さん。何気なく胸ポケットに入れたゆかりさんに、再び不思議なことが起こります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-12 16:28:36
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会話率:49%
中学二年の佐々木憬衣は、怖がりで霊感もないが、七不思議がなぜか大好き。ある日、ほこらのような建物を見つけ、興味津々で中をのぞいてみると、武士の石像が浮かび上がった!
その武士は勝軍地蔵(しょうぐんじぞう)だと名乗り、憬衣に頭を下げ、ある頼み
ごとをした……。
地域を守ってきた勝軍地蔵の知られざる過去に心動かされ、憬衣は頼みごとを引き受ける。簡単にできるとたかをくくっていたが、そうはとんやがおろさないのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-26 13:36:26
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