魔族の権利を主張するショタ魔王(中身はジジイ)と、住民からの苦情を受けて仕方なく立ち上がったニート勇者。
ファンタジーとは口が裂けてもいえない日常を綴った御伽話。魔王討伐は始まらない。
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遠い昔の話。人間界と魔界での壮絶な戦いがあ
った。【魔族は人肉を食料にする】なんて迷信を信じ喰われるコトを恐れた人間のある一部団体が『ならば先手を打って魔族皆殺し』を提唱したことが始まりだ。実際は平穏主義の魔族にとっても、只殺されるのを我慢していらるはずが無く。戦争は更に大きな戦争に。憎しみは更に多くの憎しみをつくり。沢山の人間が、魔族が死に絶え。
其の戦いを終らせたのが、俺のじいちゃんの曾じいちゃんのじいちゃんだ。こんなコトは無意味でしかないと考えた彼は、魔界の入口から一番遠いところに聳え立つ魔王の城に単身で乗り込み、魔王と停戦条約を結んで来た。
それが勇者の始まり。
それ以降、【勇者】という称号を国から認められ、其の称号は代々引き継がれてきたのだ。ちなみに其の停戦条約の中には【魔族の権利】というものが入っていて、つまりは人間界でも魔族が安心して生活できるなんたらかんたら~っていう文章が入っていたらしく。魔王は現在その権利を盾に、人間界で悠々自適に暮らしている
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全体的にゆるゆるとした魔王と勇者の日常話。
微妙にボーイズラブ感があるため、苦手な方に避けていただくよう「ボーイズラブ」のキーワードを選択しています。ガチじゃなく、緩い感じです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-01 21:37:07
14694文字
会話率:49%
その男は、魔王の使徒である。
主たる魔王の命を受け、仲間たる使徒たちと協働し、配下たる魔物を動かして世界を支配せんとするものだ。
その男は勇者の師匠である。
悪逆たる魔王を撃ち滅ぼす希望――勇者。絶大な才能を持ちながら、未だに未熟である勇者
を指導し、救国の英雄足らしめんとするものだ。
クロードは、魔王の使徒であり、勇者の師匠である。
上司たる魔王の無茶難題に頭を悩ませ、同僚たる使徒の奇人変人さにため息を漏らし、部下である魔物の自分勝手さに胃を痛める中間管理職だ。
自宅で開いている道場に通っていた弟子がいきなり勇者に任命され、成り行きで勇者指導をすることになり、時には勇者の恋愛相談に乗ったりもする気のいいお兄さんだ。
これは、かつて魔王に戦いを挑み、そして敗北したクロードが、魔王の使徒と勇者の師匠の二足の草鞋を履く物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-19 03:09:37
971文字
会話率:11%