かつて「神童」と謳われた少年・ラノは、幼い頃から魔術や剣の才に恵まれ、周囲の注目を一身に集めていた。
しかし十代を迎えるにつれて、その突き抜けた才能は緩やかに伸び悩むようになり、二十歳を迎える頃には「どこにでもいる青年」と変わらぬ姿で日常を
過ごす。
やがてラノは、自分よりも才能を伸ばそうと懸命に努力する同世代や後進たちの姿を目にし、自身の歩んできた道を振り返る。
初めから何でもできたがゆえの戸惑いや、失われたと感じる輝きへの未練。
だが、再び小さな風を巻き起こすその両手には、まだ魔法への情熱が灯っていることに気づく。
かつての神童が見つけ出す、もう一度始まる物語とは──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-04 08:25:51
1692文字
会話率:11%