修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端
麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-16 19:00:00
46701文字
会話率:35%
主人公・南あきは、小学生の頃から七年間、福見大に片想いをしていた。
けれど、高校の体育祭の日、大が本のヒロインみたいに可愛らしい女の子、水崎風花に恋する瞬間を見てしまう。
風花は、あきが高校の中で一番“苦手”な子だった。あきに持っていな
い全てを持っている風花が羨ましくて、彼女がいじめられている現場を見て見ぬふりしたこともあった。あきが関係を築いてきた七年間を、たった数か月で飛び越えてしまった風花のことが、正直に言って……要らない存在だ、と思ったこともあった。
一方、大との関係は小学生の頃から距離は縮まってきてはいるもの、ずっと“距離感の近いクラスメイト”で――そんなある日、大にある『相談』をされた。その相談とは、大と風花の関係を取り持ってほしいということで。あきは渋々承諾する。このまま関係が変わらないのなら、せめて好きな人の役に立つことをした方がいいよね、と……。
無事に付き合うことになった大と風花。気づけば高校も卒業間近で――。
卒業式の日、あきは大に告白する。そして、自分で美しく恋を終わらせると、いつものように笑ってみせた。
決して心が綺麗な部分だけではないけれど、健気に頑張る主人公の、悲恋の物語。
※ちょっとなめてる感じのタイトルですが、要は作者の限界ですのでお気になさらないでください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-17 16:05:58
13843文字
会話率:36%