「ずっとは、だめ?」
あのとき預かっただけの少女にそう言われたとき、僕の理性は静かに壊れた。
——かつて三週間だけ預かった少女がいた。
幼稚園の年長だった彼女は、静かで、よく気がつく子だった。
あれから五年。
僕の部屋にふいに現れた
彼女は、「ただいま」と言った。
壊れてしまった母のもとを離れ、誰にも頼れず、ただ思い出せたのが僕だったという。
戸惑いながら始まったふたりの生活は、静かに、しかし確かに日常を塗り替えていった。
距離が近づいていくほどに、守るだけでは済まない感情が生まれていく。
これは、正しさと欲望の間で揺れる、ひとつの“帰る場所”の記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-02 00:33:59
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会話率:25%