「ねえねえ熊谷くん、熊谷くん」「な、何か御用ですか?」「次の授業で使う教科書なんだけどさ、私ド忘れちゃったみたいで……」「ああ、なるほど……」「だからさ、ちょっとだけ見せてもらっていいかな?」「ああ、なるほど……ってえぇ!?」 綾瀬さんって
友達たくさんいるし、今のうちに他クラスから借りてくればいいのに、どうして席が隣の俺に見せてもらおうとするんだろうか。……でも一つだけ心当たりがある。そうだ、あの日だ。俺が眼鏡を外した素顔を見られたあの日から、綾瀬さんが話しかけてくるようになったんだ……
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-05 23:05:00
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会話率:46%