数十の王家が点在するザリング大陸。各々の王国ではそれぞれが一つの魔法形態を重んじ、それを独自に発展させることで和平の均衡を保っている。
ユトミス王国は水の魔法を重んじることで、数百年の繁栄を守ってきた。しかしこの国には、いずれ王家を亡ぼす
『呪いの子』が生まれるという古い言い伝えがあったのである。
水の魔法を尊ぶユトミスにおいて、火の魔術の才を持って生まれたサンドラは国中から『呪いの子』として謂れのない非難を受けて育ってきた。しかし、ユトミス王は彼を自らの姫の侍従として王宮で奉仕させることを決めた。
ユトミスの姫は、とある事情から城の中にある秘密の部屋での暮らしを余儀なくされていたのだ。
はぐれ魔導士は今日も秘密の部屋で、姫と自らの力を憂いている。
※タイトルが過去作のセルフオマージュとなっておりますが、直接的な関係はありません。ご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-04 08:00:00
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会話率:50%