フレリア・アーレンティールは、かつて魔王を討伐した偉大なる英雄たちの一人である。
今は昔、「人間」と「魔族」の間で繰り広げられた互いの種族の存亡を賭した最終戦争──。
その戦争を辛くも人間たちの勝利へと導いた功労者として、「勇者」と「聖女
」の次に名を上げられるのがフレリアという名の「魔女」であった。
異界より招かれし勇者の傍にあっては、八面六臂の大活躍を果たし、ついには勇者と人間たちを勝利へと導いたフレリアを、人々は長きに渡る間愛し『偉大なる大魔女』と呼び敬意を表したのであった。
──人生の最盛期、我が世の春。
まさしく栄華を極めるに至ったフレリアであったが、信じていた親友の聖女に出し抜かれ、意中の相手であった勇者を寝取られてしまう。
鳴り止まぬ賞賛と万雷の拍手に増長しきり、天狗のようになっていたフレリアには、自業自得といっても過言ではない結末であったものの、かつての友の手により愛する人を奪われた魔女は、人生に絶望し失意の果てに歴史の表舞台からその姿を消してしまうのであった。
時は流れかつての物語は伝説へ──長き年月を経て、その名や果たした偉業すらも多くの人々から忘れられたフレリアは、北方の大地を終の棲家と定め静かに暮らしていたのだった。
溺愛する弟子の少女ジュジュと口うるさい使い魔のミネットと共に、気まぐれに開いたなんでも屋で日銭を稼ぐ毎日。
弟子の少女の成長を見届ける傍ら、新聞に掲載される貴婦人向けエロ小説と、浴びるような飲酒だけを日ごろの糧とし、半ば隠居じみた生活を送っていたフレリアであったが、そんなある日、かつての親友である憎き聖女の母国から使者たちが訪れるのであった。
『再びこの世界に召喚された勇者の魔法の師となってもらいたい』
舞い込んだ大きな仕事の依頼に最初は難色を示すも、かつて古き日に交わされた約束により、フレリアは依頼を引き受けることとなる。
……二度と戻る事は無いと誓った王国で、異世界から召喚された3人の勇者と、その勇者たちに巻き込まれる形で異世界へと渡ってきてしまった才無き4人目の「一般人」と出会う魔女──。
その出会いを皮切りに、止まっていた魔女の運命は再び動き出し、二度目の動乱へと巻き込まれていくことになるのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-15 17:00:00
55823文字
会話率:36%
俺の名はジャック。警察の一員として悪者に立ち向かっていた。ある日、俺は撃たれ、神を名乗る妙な奴に出会う。そして……。
……俺は彼奴が誉めてくれれば頑張れたのに。
上下で完結予定
ハーメルンでも
最終更新:2021-10-18 22:13:56
12109文字
会話率:43%