東京オリンピックと前後して増加した「怪異」は人心的な影響のみならず、物理的影響を齎すまでに発展する。
被害を最小限に留めんと怪異の解析を、或いは鎮圧を行なう者達がいた。
最悪の怪異は祭りの熱が抜け切った頃に起こった。
成田国際空港貨物ターミ
ナル南部貨物地区を襲った“災禍”。
施設にいた一般職員達は何が起こったのか判らぬまま消滅した。
鎮圧に参加した術士の殆どが消息不明となり......災禍の現場に立ち、無傷で居られた者は皆無だった。
現場には死者・行方不明者の名が記された慰霊碑が立てられ、災禍跡地は“慰霊の森”として公園化された。
-災禍より12年が経過した-折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-25 00:00:00
145116文字
会話率:31%
わたし、セラフィエル=バーゲンは「操血」と呼ぶ能力をこの身に宿している。
自身の血液を自在に操れるだけではなく、この血は死の間際、世界の境界を通り抜けて別の世界へ転生することを可能とする――異質な能力である。
最初の人生で「操血」の力を
理解し、二度目の人生で「魔法」という新しい力に出会い、三度目の人生で「魔法」を極めた女王の一人として座についたわたしだけど、いずれも無残な最期を迎えることになったことが――心残り。
四度目の今生は変に驕らず、マッタリと暮らしたいなぁ……なんて思っていたのだけれど、子供の身体に転生したわたしは虚弱で精神もやや幼くなってしまい――――結局は波乱の人生の幕を開けてしまう!
ヴァルファラン王国に転生したセラフィエルを中心として、ゆっくりと鎌首を上げた"破滅"へ抗う物語が始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-27 18:37:49
1184417文字
会話率:31%