少年は二十歳となった日。子どもの頃からずっと創り上げてきた世界に終わりを告げる決意を固めた。その世界の名は『アース』。少年は何度も星の衝突に失敗し、試行を重ね、苦難の末に行き着いた、少年だけの箱庭。学校の友人よりも大切で、自分の子どもような
存在であるゲームに、少年は別れを告げる。
これは少年によって、デリートされるゲーム世界の物語。
生物が溢れ、人という二足歩行の動物が文明を築く箱庭は……。
「今までありがとう。最後まで見届けるからね」
泣きべそをかく少年の手によって、消去される。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-20 16:00:00
91029文字
会話率:1%
とある運送会社の創設から繁栄、没落までを図らずも導いた老人が第二の人生として選んだのは、時代錯誤な紳士サンタクロース!?己の正体を悟った老人が即興で設けた有限会社に、屈折した因果と微々たる下心を要因に雇われる事となった並木隆慈。「他人に優し
くなんかしてどうなる?」――冷めきった隆慈は言い放つ。季節は冬へと移り変わり、凍てつく雪のように降り積もるシビアな現実は、次第に隆慈の纏う“心の外套”を剥がしてゆく・・・。(寒さと温かさが溢れる一冬の物語。サンタに代わって届けます)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2007-09-03 16:54:38
46815文字
会話率:27%