「…この世界で、楽しかったことなんてひとつも無い。」
少年はかつて、そう口にした。当時の彼は、死にたいと願った。消えたいと願った。そして何よりも…
こんな腐った世界なんて消えてしまえばばいい
…と考えた。
それから十余年。彼は変わっ
た。あらゆるものを尊び、様々な物を美しいと考えるようになった。
彼が変われたのは、世界のおかげだった。そこに住む人々が、動物が、彼の心を変えた。少年は、《人間らしさ》を取り戻したのだ…。
だから、少年は考える。「今度は、自分がその腐った世界を変える番だ」、と。それは、それを実現させるのはとてつもなく長い道程となる。だが、少年は諦めない。自分を変えてくれた世界に、その住民に…恩を返すために。
少年は変わる。自らの願いを叶えるために。少年は変わらない。大切な人々を…少女を守るために。
これは、悲しき過去を持つ、少年と少女の世界救済の物語だ…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-25 12:05:21
12280文字
会話率:37%