《BL作品です》
『番がいなくなった一匹狐の不吉な神社』
昔からそう言われている寂れた神社にいる『一匹狐』のことが、僕には昔から見えていた。
周りの人には見えていないのに自分にだけ見える不思議な『彼』。
なぜ自分にだけ見るのか、
疑問に思ったことがなかった。そういうものだと思っていたから。
「なぁ、この約束、ちゃぁんと覚えとらなあかんで?」
――でも、この約束だけは、どうしても思い出せない。
僕はどうしてあなたのことが見えて、僕はどうしてあなたのことをこんなにも……
「………もう、嫌になりましたか?」
「そうやない……おれはお前と、一緒に生きたいんや」
彼が涙を流すと、雲ひとつない真っ青な空も泣いてしまうのは、誰かが一緒に泣いているからかもしれない。
【 小料理屋を営む人間 × 1000年生きた四尾の狐 】
生きる時間が違う二人の、恋と愛と、未来の話。
✧作中の関西弁については温かい目で見ていただけたらと思います…m(_ _)m
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-26 13:35:37
7097文字
会話率:58%