Aランク冒険者のユリウスは嫌われ者だった。喧嘩が趣味で所かまわず暴れ回るクソ野郎なせいで、町民全員から嫌われていた。町民どころか彼と関わった人間ほとんどが彼を嫌っていた。
そんな折に起きた王都のスタンピード。多くの魔物を引き連れる地竜を討
伐せよとの通達に、報酬欲しさからユリウスは一人で突撃をかましてしまう。
無謀すぎる突貫だったが何とか討伐したものの、その時の傷が原因で生死をさ迷い眠り続け──目が覚めたら二十年が経っていた。しかも、スタンピードを鎮めた英雄として祭り上げられていた!
「誰が英雄だ! んなもんこっちから願い下げだ!」
しかし〈神〉はそんな彼を放っておいてはくれない。
復活した魔王に聖剣の勇者、そしてかつての知り合いたち。人ならざる力を持ちながらもどこか歪な人間たちは、否が応でも戦いの中に身を投じていく。
これは期せずして英雄へとされてしまった青年が、彼を救った神獣の少女と共に、本物の英雄へとなるまでの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-02 00:00:00
60020文字
会話率:34%