――どうしよう、ティナ! わたし、このままじゃ処刑されちゃう!
ある日、不意に倒れられたフランチェスカお嬢様が、目覚めて第一声告げた言葉がそれだった。
なんでも、お嬢様は前世の記憶を思い出したそうで。
自分は前世で読んでいた物
語の、悪役令嬢だと思いこんでいらっしゃるご様子。
このままでは皇太子の婚約者になり、冤罪で処刑されてしまうのだとか。
はいはい、最近ハマってましたもんね。
異世界から転生してきた人物の物語。
でもお嬢様、知ってます?
それって厨二病って言うんですよ?
将来、思い出して、ベッドの上でのた打ち回る事になりますから、よそでは言わないようにしましょうね。
けれどお嬢様は本気でご不安に思われているご様子。
――良いでしょう。
ならば、この万能メイド、ティナ・バートン。
全力でお嬢様の不安を取り除いてみせましょう。
――これは処刑を回避する為に空回りする悪役令嬢と、それを支えるメイドの物語。
――そして、やがて『厨二病』が国を救う物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-13 19:24:34
29877文字
会話率:26%