『武装』それは生ある者が死した者の魂を召し上げ、己の武具として使役すること。けれどもそれは限られた者にしかできない諸行。神に認められし広い器のある者、そして生を慈しみ死を慈しむことができる者の二つを持つ者が『武装』を行使できる。
世界は廻
る、生と死を隣合わせながら。
ある者は多くの魂を召し上げて己の器量を誇示する、またある者は一つの魂とだけ添い遂げると誓う者、またある者は魂を捨てては拾い捨てては拾いを繰り返す者。
世界は廻る、生ある者と魂を引き合わせて。
一人の生ある者が一つの魂と出会うことで物語が加速していく。
魂は手を差し伸べた。魂は請う、偽りの生でもいいから自分に体が欲しいと。
その者は手を握り締める。その者の心は酷く悲しんだ。死して直も生を求める魂に。魂はいずれ消えてなくなることがわかるから、誰にも気付かれることなくただ忽然と。それが悲しい。その思いが芽生えたことでその者の魂の器は限りなく大きくなる。
ある者は讃える、多くの魂を救済する者として。
ある者は恐れる、その武装の多さに。
ある者は敬う、死して直も生を与えてくれることに。
ある者は請う、志半ばで魂だけの己に体をくれと。
世界は廻る、生と死が混在する不思議な世界。
あなたはどんな生と死を望むか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-03 23:38:16
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会話率:43%