蟹が好きだった、ただの高校生、蟹沢徹(かにさわとおる)。
彼は、不慮の事故で命を落とし、異世界で、一匹の「ベンケイガニ」として、目を覚ました。
しかし、彼は、絶望しない。むしろ、歓喜した。
「最高の身体(ボディ)を手に入れたじゃないか」と
。
彼の目的は、「生き残る」ことではない。「支配する」ことだ。
彼は、他の生物の能力を、次々と「捕食」し、自らの肉体を、最強の「超甲殻類」へと、計画的に、進化させていく。
その道の果てに、彼が見据えるのは、この世界の海の、絶対者。
その玉座に、1000年もの間、君臨し続けているという、伝説の「先代の王」。
これは、野心に燃える、若き「覇王」が、海の、たった一つの、最強の称号――「海鮮王」を、その手に掴むため、神にさえ、牙を剥く、下剋上の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 21:02:03
17165文字
会話率:15%
「ようこそ、勇者達よ。どうか、私の国を魔族の脅威から救ってほしい…」
いつもと変わらない、平凡で退屈な生活が続くと思っていたある日、ある学校の生徒達は異世界に召喚された。それも、恐ろしき魔族から国を救うという大役のために。
恐ろしさに震える
クラスメイト達を見て、ある一人の生徒が立ち上がる。
「望まれているのなら、俺はそのために頑張りたい。みんなも、力を貸してくれないか!?」
元の世界でも人望の厚かった彼の言葉に感化され、他のクラスメイト達も次々に応じていく。
こんな事は二度とない、詰まらない日常をただ無為に過ごす運命が変わった今、退く気にはならない―――青年達は拳を突き上げ、一致団結して魔族の脅威に立ち向かうことを決めた。
……ただ一人を除いて。
(こいつら……本心とは裏腹にこんなご立派なことを言えるとは。逆にすごいな)
他人の心の声が聞こえる能力を持って生まれてしまった人間不信の青年が、正義に猛る青年達の中に見た本心とは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-18 10:23:35
6765文字
会話率:9%