私の記憶は『異世界』生まれ、周囲の記憶は一つの『未来』から――。
公爵家の令嬢エリーゼ・スティアートには、自分ではない『誰か』の記憶があった。幼少時は記憶に引き摺られ、その『誰か』であろうとしてしまう。その結果、自分を見失い、嫌われる
ことが『私』を見ることだと信じていた。そんなエリーゼの転機は、悪評塗れの次期王太子妃との出会い。噂とは違う姿に心を許していく中、噂の真実に気づいてしまう。次期王太子妃を救うべく行動を始めたエリーゼは、想いがけず自分が処刑される『未来』を知る。それは、次期王太子妃を嵌めた罪によるものだった。
エリーゼは次期王太子妃を救えるのか。バッドエンド回避に向けて走り出したエリーゼを、『未来』を知る者たちが翻弄する。協力? 敵対? それぞれの思惑が絡み合い、『未来』は別方向へと進んでいく。これは記憶に翻弄されながらも、『未来』を掴む物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-08 20:04:30
207875文字
会話率:25%