菊池良太は高校進学と父の転勤に伴い地方から東京へ移住する。両親にとっては懐かしの、良太にとっては憧れの地だった東京。期待と不安に震える良太は入学前最後の面談で、奇妙な風習について説明される。
この地域では古くから生徒を見廻る目に見えぬ生徒、
ウカガイ様なる存在があるのだという。
ふいに現れたその姿は明らかに一人の女性とで、もちろん目に見え、声も聞こえる。けれど母も教員もあたかもそこに何もいないかのように振る舞う。
良太は異様な奇習に怯えながらも、東京に馴染めるよう必死の努力を始める。
※カクヨムにも同作を転載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-10 00:17:01
147674文字
会話率:25%
貴方が今日の依頼人ですか。手付金は用意されましたか?
ふむ……結構。いや、身なりに見合わぬ大金、どうやって用意されたのか気になりましてね……
おっと気分を害されたなら申し訳ない。思ったことをつい口にしてしまうのが、私の悪い癖でして。どうかお
気になさらず。
……ほう、自分のほぼ全財産を成功の暁には支払うと。それほどまでのお覚悟ですか、なるほど、なるほど。
お嬢様は今、身支度中でございます。それまでどうぞこちらへ。パルフォール産のお茶をご用意しますので、少々お待ちを。
どうぞ、こちらがお茶とお茶菓子になります。……本当に「祓って」くれるのか、ですと?
ご安心下さい、私たちの成功率は、これまで10割でございます。ええ、失敗などございません。「討伐」はもちろん、難度の高い「浄化」であっても、です。
教会ではなく、わざわざ私たちにご依頼されたということは……何が何でも転生者を消してほしいか、あるいは「受肉」させられた方を何としてでもお救いになられたいかどちらかでしょう?
貴方の場合は……恐らく後者。どうです?ああ、やはり。
「討伐」ですと受肉させられた方ごと滅せねばなりませんからね。「浄化」ならば、「取り憑いた」異世界人の魂だけを滅し、貴方が愛する人は助かります。
私たちが法外とも思える値段で依頼をお受けするのも、それが命の価値に見合ったものだからです。
転生者とは真に厄介なものです……受肉した対象の魂を食らい、乗っ取るだけではない。転生者は皆、超常の力……「恩寵」を持っております。異世界の智慧、そして恩寵。世界に混沌をもたらす者ゆえ、狩らねばならぬのです。……何としてでも。
力が入り過ぎてしまいました。そろそろお嬢様が戻られます。ええ、「祓い手」は我が主、ジャニス・ワイズマンにございます。私はただの執事にございます。
本当に大丈夫なのかと?信用ならぬならお断りしても構いませんが。私たち以上の「祓い手」など、この国にはいないでしょうから。
お嬢様は少々性格に難がございますがね。我が儘で美食家で大食漢。おまけに守銭奴ときている。しかも……
おっと、不安に思われたなら申し訳ございません。ただ腕は確かでございますよ。フリード皇太子の「祓い」を行ったのも私たちでございます。
……よろしい。金額に見合う仕事は、必ず遂行致します。
では、ご依頼を詳しくうかがいましょうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 21:20:49
1082622文字
会話率:47%
大学生のあゆみは、普通とは少し違う道を歩むことを決意した。
その相手は、かつての高校の担任、星宮すばる。
彼には幼い子どもたちがいる。二人の関係は周囲の常識に逆らい、挑戦に満ちたものだった。
「普通じゃない道なんて、やめた方がいい」
そう
言われるたびに迷い、不安に襲われながらも、あゆみは心の中で小さな確信を抱く。
――私は、この人と歩む未来を選びたい。
子どもたちとの触れ合い、家族としての絆、そして社会の厳しい目の中で揺れ動く恋心。
この物語は、一人の女性が愛と覚悟で自分の人生を切り拓いていく姿を描いた感動のドラマです。
普通じゃなくたって、自分だけの幸せを見つければいい――。
そんなメッセージを込めた物語、ぜひご覧ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 20:00:00
108337文字
会話率:45%
廃墟で育った高校生、百鬼弐弧は ある日スマホのサイトで幼馴染みに似た化け物の絵を見付ける。
不安に駆られて廃墟に戻った弐弧の前に現れたのは 変わり果てた姿になった幼馴染みだった。
運命に導かれて出会った紅い目の少年と 共に戦い、共に成長して
いく学園ダークファンタジー。
R15相当のグロテスク表現があります・閲覧の際にはご注意をお願い致します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 15:30:00
136767文字
会話率:20%
ルナは名門伯爵家の妾の娘として生まれたが、女子であることや母リリエとの関係により冷遇される。さらに、彼女の髪色や早熟な魔力は伯爵家の伝統に反するとみなされ、家中の疑念と軋轢を招いた。ついに、使用人たちの噂や先代伯爵の圧力が重なり、リリエとル
ナは伯爵家を追放される。生き延びるため辺境の村でひっそりと暮らし始めた母娘だが、ルナの強力な魔力が徐々に目覚めていく。母はそれを隠そうとするが、ある日、ルナが怪我をした村の子供を助けようと魔力を使ってしまい、噂が村中に広がる。さらに、偶然その場に居合わせた若き公爵カイルがルナの力に気づき、興味を持つ。母リリエは再び不安に苛まれるが、公爵の人柄と助言を受け、少しずつ信頼を寄せるようになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 14:00:00
32278文字
会話率:46%
買い出しに出た先で、勇者が魔王を討伐したというニュースを聞くローリエ。号外新聞に描かれた人物画を見てときめくも、自分には縁のない人だと自嘲する。
何故ならローリエは、預けられた辺境伯の家で使用人のように扱われているからだ。
育ててもらっ
た恩を返そうと懸命に働くローリエだが、ある日突然売り飛ばされそうになる。
絶望の中、助けに現れたのはオルトキア王国の第三王子であり国で一番人望の厚い勇者、クレイユ=オルトキアで――。
「君は僕の初恋なんだ」
「お会いした記憶がありません……」
初恋の相手は瓜二つの別人では、と不安に思うローリエ。一方、クレイユはローリエとの結婚を宣言し、蕩けるほど溺愛するのだが……。
秘密を抱えた勇者と秘密を忘れた花嫁の、じれあまラブロマンス。
ꕥ‥∵‥ꕥ ‥∵‥ꕥ
*糖度120%(※当社比)を目指した西洋風ファンタジーです。が、ちょっぴり歪んでるかもしれません。
*ハッピーエンドですが、ドアマット苦手な方は3話目ラストくらいまで飛ばし読みください⚠︎
*本作はカクヨムからの転載です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 09:55:25
76891文字
会話率:35%
なんとなくつまらないなぁと感じる日々を過ごしていたら、物達が、私に話しかけてくるようになりました。
自分はどうかしてしまったのだろうかと、不安になりながらも、物達の可愛らしい声に夢中になって、日常がキラキラと輝き始め!
最終更新:2025-02-09 07:09:23
36084文字
会話率:70%
その差、一回り以上。
何がって……年齢が。
目覚めたらとある乙女ゲームの主人公になっていた、七崎(ななさき) 静音(しずね)。
神様曰く、元の世界に帰るには攻略キャラ五人のうち誰か一人と恋人にならないといけないらしい。
推しとの歳の差、
一回り以上。恋心通り越してもはや親心。
そんな三十路オタクが、ひたすらキャラ達の可愛さに悶えてるだけのお話です。
※ ネットスラングとか限界オタクのような発言がちょくちょく混じるので、苦手な方はご注意ください。
※主人公としてどっぷり恋愛するというより、推しを見守る話。
※健康的な腹チラを見て、ときめくより先にお腹冷やさないか不安になる……みたいなおばちゃん脳。ずっとそんな調子なので許せる方のみどうぞ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-08 15:04:30
374068文字
会話率:39%
ふと目覚めると見知らぬ部屋で寝ていた俺。
しゃがれた声にしわくちゃな手に気づくと、なんと自分は88歳のご老体になっていた。
過去の記憶も何にもない俺に優しくしてくれる家族。可愛い孫もいて余生を楽しく過ごすのも悪くないと思っていた矢先、突然
魔王軍の襲撃が。
そもそも生い先短いのに、いったいどうなるのかと不安になっていると、突然孫が言い放つ。
「街を救えるのはお祖父ちゃんしかいないよ!!」
「なぬぅ!?」
ちょっとスケベで最強の高齢者が織りなす介護的ファンタジー冒険譚!!ここに開幕!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-08 09:00:00
78216文字
会話率:38%
仕事を卒なくこなし、規則正しい生活をし、何不自由ない人生を送っていた主人公だが、定期的に押し寄せる自殺衝動により、自ら命を絶ってしまう。
魂となった彼の元に悪魔が訪れ、強制的に別世界へ転生することになってしまった。
望んでいない二度目の人
生は、戦死した領主の息子。
戦時中の領主になることを誰も望まず、主人公が地位を引き継ぐことになり、自国の情勢も理解する前に王家からは国王の娘が嫁いでくる。
新しい世界の仕組みを知りながら、新婚生活が始まり、次の戦に向けての準備も進めていく主人公だが、転生しても尚、自殺衝動がまた湧き始め、尽きることのない不安に追い込まれていくが、誰にも告げられず、答えも見い出せずにいた。
時間をかけて文化の異なる妻との生活にも慣れ始め、準備を進めて長い戦争も終わりを迎え、ひとつひとつ解決していく主人公だが、それに反して自殺衝動は強くなっていく。そんな主人公に、突然ある人物が問いかけた。
今、死にたくなっただろう、と。そして、自身ではどうにもできなかった衝動が言葉巧みに解かれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-08 01:42:42
2263文字
会話率:32%
スリップダメージを与える手段が強いRPGは良いRPGだ。たとえばそれは毒状態。紫色か緑色。泡が出たりすることも多い。ゴリゴリと、不安になってしまうほどダメージを与え続ける。喰らえば痛いし、喰らわせれば愉快な気分だ。しかし、強力なボスキャラな
どにスリップダメージが通らないなんてのはとても萎える。だが、そうしてしまいたくなる気持ちもわからなくはない。初手でスリップダメージを与えてその後は防御主体で堅実に立ち回るだけでボスバトルに勝たせるなんてわけにはいかないのだ。少しは苦戦してほしい。その気持ちはわかる。阿部千代の書く、スリップ&スラップという小説の題名は、つまりはそんな感じでつけられたのだった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-07 19:27:02
242003文字
会話率:2%
ある日セラは父親から呼び出され、自分が別の国の公爵家へ嫁ぐことになったと知らされる。
跳ねっ返りで自分の国の貴族でも容赦ないセラは、どういう事情で自分が公爵の元へ嫁がなくてはならないのか疑問を持ち、その政略結婚に反対する。だが国同士の力
関係もあり、結局嫁ぎ先の国の王族に求められるがまま、嫁がなくてはならなくなった。
元々の国の力関係的に弱い立場にあるセラは、嫁ぎ先でどのような扱いを受けるのか不安になりながらも、公爵家の屋敷に到着する。
だがセラには自分自身への扱い以上に、気がかりなことがあった。
それは嫁ぎ先の公爵はこの結婚が再婚であり、更に彼には一人息子もいるというもので。。。
書き溜めているところまで不定期で投稿させて頂く予定です
(59話からは、なるべく毎週金曜日、18:10頃の更新を目指します)
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カクヨム様にも掲載させていただいております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-07 12:00:00
227498文字
会話率:42%
現在、子供の不登校は社会的な大問題となっています。不登校が長引くと、引きこもりや社会からの隔絶、家庭内暴力、孤独死、そして社会に対する絶望感からの犯罪に発展することも少なくありません。
私たち家族も、息子が中学2年生で不登校になった時、そ
の現実に直面しました。不登校からの克服は、息子の性格や思春期特有の反抗期、周囲の環境、情報収集と対応の繰り返しと、非常に困難なものでした。親である私たちも、度重なる挫折や将来への不安に苛まれました。
現在、息子は30歳を迎え、不登校を克服して全寮制高校を卒業後、専門学校で整備士の資格を取得し、3回の転職を経て、大手自動車販売店で整備士として元気に働いています。彼の成長を支えた家族の努力と奮闘の記録を、この物語に記しました。
この物語は、中学2年生の時から始まる息子の不登校からの脱却を描いたエピソードを通じて、同じような困難に直面している全ての子供たちとその家族に、希望と勇気を届けることを目指しています。
「一人で悩むな!!」で描かれた福井県敦賀市に住む野坂家の4人家族、大樹、ひろみ、敦、夏帆。前回は長女の夏帆の借金問題を中心に描きましたが、今回は長男の敦が中学2年生のときに直面した不登校の問題に焦点を当てます。
敦が不登校になったことにより、家族全員がそれぞれの葛藤や挑戦に直面しました。親として大樹とひろみは、息子の将来を案じながら最適な解決策を模索し、多くの試行錯誤を繰り返しました。そして妹の夏帆も、兄の不登校に対して複雑な感情を抱きながら成長していきます。
この物語は、野坂家が経験した試練と、それを乗り越えるための努力と愛を描いたものです。同じような状況に置かれている全ての家庭に、少しでも共感と希望を届けたいと思います。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-06 10:39:58
136111文字
会話率:1%
春、田舎から都会へ上京してきた大学生・飯山 和茶(いいやま かずさ)が入居したアパート<デッド・ハイツ>。名前は和茶が苦手とする怖いものを連想させるが、リフォームをしたということで綺麗なアパートだった。しかし、和茶には気になっていることがあ
った。和茶の部屋の家賃は異様に安かったのだ。まさか、事故物件というやつか?不安になった和茶だが、もう1つの空き部屋の家賃も安かったはず。そして、和茶は若き大家の嶺想寺(りょうそうじ)を愛想が良く、ただの親切な、良心的な大家だと思いたかった。和茶は、不安を抱きつつも、大学からも近い<デッド・ハイツ>への入居を決めて、今に至るというわけだ。が、しかし、和茶の不安は地獄への入り口だった。地獄を卒業してきた住人たち、時々、生きている人間のお話。超のつく怖がり大学生は天然のお化け屋敷でやっていけるのか?和茶の、背筋が凍る新生活が始まる。
◯現代ファンタジーなのか、よく分からないコメディー的な作品です。書きたいことを書けるだけ書いたら、こうなりました。登場人物は生きてたり死んでたりします。展開がめちゃくちゃです。ゆるっと読んで頂けたら嬉しいです。著者は嶺想寺と、とあるキャラの絡みがお気に入りです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-01 17:16:20
20760文字
会話率:49%
現代社会の重圧に押し潰されそうな一人のサラリーマン・太一。朝5時半、冷たい目覚まし音に無理やり起き上がる太一は、薄暗い部屋で体が思うように動かず、重い足取りで満員電車に揺られながらオフィスへ向かう。オフィスでは、上司の田中が冷徹な口調で無情
な指示を投げかけ、山積みのタスクが彼を追い詰める。昼休みさえも、冷えた自販機前で未来への不安に押しつぶされる。夕刻、終わりなき業務を終えた太一は、孤独な夜の中でストロングゼロを手にし、アルコールに頼る。しかし自宅で、深い酩酊状態に陥った彼は、制御を失い、強酸性の胃液と胆汁を伴う激しい嘔吐に襲われ、絶望の淵へと落ちていく。そんな彼の前に、長年の友人・美咲が現れ、優しく介抱しながら彼の苦しみを静かに聞く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-01 15:43:16
2850文字
会話率:14%
お金の無い生活だ。不安になるときもある……他人を羨ましく思うときもある……大金が空から降って来たらいいのなぁ……でも、何だかんだで今の生活を好きである!
キーワード:
最終更新:2025-02-01 14:26:36
8748文字
会話率:1%
「この婚礼は……お前の悪夢の始まりに過ぎない。」
大阪で平凡なエンジニアとして働いていた**嶺司 龍牙(れいじ りゅうが)**は、突如として襲いかかった大地震によって命を落とした。
しかし、次に目を覚ました時、彼は豪華な紅い婚礼衣装を身
に纏い、金碧輝煌の結婚式場に立っていた。隣には、顔を薄いヴェールで覆った謎めいた花嫁の姿が——。
だが、これは単なる婚礼ではなかった。
彼が転生したのは、「天武大陸」と呼ばれる異世界。そこは強者こそが全てを支配する過酷な戦場。武者は大地を裂き、河を断ち、星辰を操ることさえできる。一方、弱者は虫けら同然に扱われ、ただ生きるために這いつくばるしかない。
しかし、龍牙を最も不安にさせたのは——
花嫁がヴェールをわずかに持ち上げた瞬間、漆黒の深淵のような双眸が彼をじっと見つめ、囁いた言葉だった。
「お前の武魂は……すでに選ばれている。」
これは悪夢か、それとも避けられぬ運命か?
この残酷な異世界で、彼は生き延びることができるのか——?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-01 04:23:42
4674文字
会話率:16%
高校二年生、二日目の朝。友だちが欲しいけどつくれない少年、篠塚智史は花に話しかけながら水やりをする変わった少女、日向美桜と出逢う。美桜と話す時間を心地よく思った智史は、無自覚に彼女に惹かれる。日中は相手に会わせてばかりいる美桜。放課後に友
人の部勧誘を手伝っていた美桜は、生徒とぶつかりチラシの束を落とす。早朝から不運に見舞われてばかりいる美桜を見かねた智史は、彼女の手伝いをすることを決意する。この出来事がきっかけで、智史は美桜の友人である沢渡彩奈、彩奈の幼なじみである河城太一の輪に加わることになる。翌々日、美桜が風邪を引き、智史は彼女に代わって水やりをする。ところが花は項垂れてしまい、不安に思った智史は彼女の連絡先を個別に追加し事の顛末を明かす。翌朝謝罪すると、美桜は智史を許し、友だちになってほしいと頼んでくる。悩んだ末、智史は彼女と仮の友だちになった。
三人と親睦を深めるも、智史は三人と友だちになれない。双方が与え合いはじめて友情が成立すると智史は考えているため、もらってばかりいる自分に友だちになる資格はないと思っているからだ。中間テスト明け。サッカー部が美桜の育てている花を落としてしまう。涙を堪えて平気なふりをする美桜になにも言えない智史だったが、悩んだ末に妹と密かに育てていた花を美桜に渡して励ます決意をする。引かれないかと恐れながらも花をプレゼントすれば美桜は大喜びする。美桜の背中を押すことができ、智史は友だちになる資格を得られたと自信を持つ。
ところが別の感情が邪魔をして友だちになってほしいと告白できない。勇気を出せない日々が続く中、美桜が捨て猫を拾う。校内で飼い主探しをするも見つからず、飼えないかと訊ねられた智史は相談していないのに飼えないと嘘をつく。両親と冷戦状態にあるため相談しにくいからだ。その嘘は美桜にだけ見抜かれ、ふたりは言い争って互いを傷つけてしまう。自分に友だちになる資格はないと再び自信を失う智史だが、友だちだから喧嘩できるのだと太一に諭されて立ち直る。美桜と仲直りするために、智史は両親と向き合う決意をする。交渉は成功に終わり、両親との関係も良好になる。その夜、智史は美桜と直接会って友だちになってほしいと告白する。美桜は仮の友だちから友だちになったことを喜んだ。
後日。猫を見たいと家にやってきた美桜と共に智史は花の水やりをした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-31 23:03:09
113698文字
会話率:43%
少女は不安に駆られたとき、広大な砂漠を想像した。
最終更新:2025-01-25 20:55:57
4331文字
会話率:44%
妃専属の近衛兵シェルヌ=リリッシュとドラゴン討伐団第三騎士団団長セヴィ=カタランは、親同士が決めた許嫁である。本気でセヴィが好きになってしまったシェルヌ嬢は、だんだん不安になっていく。「セヴィは自分に好意があるのだろうか……?」 そこで、彼
女の世話役を務める大魔女ノラは、弟子の魔女三人にセヴィの気持ちを確かめるように依頼する。が、この弟子達、揃いも揃ってポンコツであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-21 21:46:24
8245文字
会話率:38%