あの日の感覚は忘れられなかった。
姉に誘われたライブの熱は、暑くて暑くて私の頭をぼーっとさせる。
そんな夢心地の中で、私の目はひどく彼女に惹かれた。
黒いポニーテールをなびかせながらギターを弾き、
会場中に響き渡る心を撫でるような声音に、
ぞくりと体が震える。
目が離せない。心臓がバクバクする。どうしてだろう……
なんだろうこの感覚は……今迄に感じたことがないその感覚の答えは、
ライブが終わってすぐに分かった。
「ありがとうございました」
あぁそうか。これが、【恋】なんだ……
ーーーーーそして、春が訪れる折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-28 19:46:49
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