宗教国家クルサール王国では、年に一度、夏の涼をとることを目的とした宗教色のない『納涼祭』が開催される。
人々が純粋に祭りを楽しむその日を、聖女の息子・リツィードはよく知らないと言う。
どこまでも人間味のない少年と友人になったばかりのカ
ルヴァン・タイターは、呆れながらも、少年に『楽しい』という感情を教えるために、リツィードの手を引いて祭りへと繰り出した――
唯一神エルムの教えと剣術以外、空っぽだった少年リツィードが、納涼祭をきっかけに『楽しい』を覚えて、友と心を通わせていくお話です。
※『聖女転生物語』の番外編になります。本編と完結済み番外編『英雄カルヴァン・タイターの日常』読了後の方がより楽しめると思いますので、ぜひそちらを先にご覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-16 00:00:00
11705文字
会話率:41%
『聖女転生物語』の1000Pt達成記念も兼ねた短編です。
番外編『英雄・カルヴァン・タイターの日常』より少し後のお話で、『紅い瞳の奴隷騎士は、少女のために命を捧ぐ』の後日談でもあります。
『聖女~』既読、『紅い瞳の~』既読→何の問題もあり
ません。以下を読み飛ばし、本編からどうぞ。
『聖女~』既読、『紅い瞳の~』未読→最終話付近の内容がチラッと出て来るので、ネタバレ絶対許さないマンは『紅い瞳の~』を読むことを推奨。まぁ大丈夫!っていう方はこのままどうぞ。
『聖女~』未読、『紅い瞳の~』既読→以下の注意書きにさらっと目を通せば、話の理解自体は可能です。ロロとミレニアのその後だけが知りたい!という方はどうぞ。でも、過去作を読むと、よりキャラや小ネタのわかりみが深いですよ!
※注意書き※
時代背景
神の化身が建国した”クルサール王国”の、王都歴593年。唯一神エルムを信仰するエルム教が支配する大陸一の国家では、時折初代王クルサールと同じく、身体に光る”聖印”が浮かぶ者が生まれ、”聖女”あるいは”聖人”と呼ばれて神の化身と崇められていた。
登場人物
イリッツァ・オーム(16歳)
→”聖印”が瞳に浮かぶ、聖人リツィードの死後十五年ぶりに現れた聖女。リツィードの生まれ変わり。敬虔なエルム教徒で、リツィード時代に徹底的に親から聖人としての教育を施されたため、個の願望を持つことなく民のために己の全てを擲つことを最大の美徳と考えている。色々あって、カルヴァンと婚約中。
カルヴァン・タイター(31歳)
→王国騎士団長。リツィードの死後、王国を魔物から守り続けた英雄。1年前の帝国との戦争で総大将を務め、評判はさらに鰻登りだが、当時15歳のイリッツァとの婚約を発表し、所構わず溺愛する姿から、幼女趣味疑惑をまことしやかに囁かれる。16年前に死んだリツィードの幼馴染であり親友。父は王国出身だが、母はファムーラの出身。王国民の癖に神を一切信じていない特殊な男。
リツィード・ガエル(既に死亡。享年十五歳)
→イリッツァの前世。闇の魔法使いの策略で火刑に処されるも、操られた国民を許し、国家を救った”稀代の聖人”。火刑に処されるまでは両親の意向で、己が”聖人”であることを隠して生きていた。正体を隠していたころは兵団に所属し、大陸最強の剣士として名を馳せていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-23 16:06:50
9594文字
会話率:54%
唯一神"エルム"を信仰する宗教国家・クルサール。聖女と王国騎士団長の息子リツィード・ガエルは、無実の罪により宗教裁判にかけられ、磔にされて火刑に処される。王国最強の剣士として名をはせていた彼は、実は、母と同じ"
;聖人"であった。彼の無実は死とともに晴らされ、国民全員が彼の痛ましい死を悼み続けて十五年――何の因果か、可憐な美少女に転生したリツィードは、目に見える人々の幸せを守り、神の教えを説きながら、前世で残した未練を抱いて生きていた。
もう一度だけ、親友に会いたい――そう願って転生したのに、親友はリツィードの死後大出世して国家の英雄となり、雲の上の立場になっていた。
偶然の再会など絶望的。奇跡が起きて会えたところで、性別も年齢も見た目も変わってしまった以上、何も期待できない…そう思っていたのに、運命の歯車は数奇な巡り合わせで動き始める。
この出会いは、神の奇跡か、神罰か。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-13 00:00:00
578364文字
会話率:49%