「ヤンデレの素晴らしさについて、そこでしばらく考えていればいいよ」——その日、僕は親友にそう吐き捨てて、教室を後にした。
好きな女性のタイプ。いくつかあるうちの一つ『ヤンデレ』を答えた僕に、親友が激怒したからだ。
ヤンデレ、可愛いじゃん
。なぜだか許容してくれない親友を置いて、僕はひとり帰宅した。
それからすぐのことだった。
「説明している暇はない、今すぐに家から離れろッ!!」
親友からの電話。開いていたドア。まな板の上で包丁を突き立てられたスマホ。
校内で一番可愛い、アイドルのような女の子が、僕のことを好きだといって狭い部屋の中で追い詰めてくる。
「ど、どうしよう……っ!? 玲がしんじゃうっ!!」
出入り口は塞がれた。
残るは、ベランダから飛び降りるのみだが……。
さて、どうする?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-02 20:01:04
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