スペインのトレド、マドリッドが舞台。三十年勤続で会社から五日間の休暇と旅行クーポン券を貰った男が一人でスペイン旅行をしている。妻は居るものの、夫婦関係は冷え切っている。結果、一人だけの気儘な旅となっている。男は会社では順調な出世を重ね、役員
就任も目前となっている。マドリッドでは、プラド美術館、ソフィア王妃芸術センター、ティッセン・ボルネミッサ美術館を訪れ、数々の名画を鑑賞する。特に、ソフィア王妃芸術センターでは、ピカソのゲルニカを観て、深い感慨を抱く。一人で旅をしながら、会社人生を振り返る男の姿。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-05 20:00:00
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