「――俺って、何がしたかったんだっけ」
過労死寸前の人生に疑問をもった広瀬陽之は、不思議な羽根に導かれ、熱狂したVRゲームのサービス終了を当日に知る。
育てた四体の契約魔獣に別れを告げるべく、五年ぶりのログインを果たすのだが、何故かデー
タは消失。しかも、ログアウトができない。
どこかおかしいゲーム世界で危機に追い込まれる陽之。
その時。消えたはずの契約魔獣の一体、銀狼・リルと再会する。
陽之はテイマー職"『魔獣操師(マギナハンドラ)』のハル"として、人の姿を得たリルとともに、ログアウトの方法と消えた残り三体の契約魔獣を探す旅に出る。
これはただのゲーム。
陽之は、ただのプレイヤー。
リルは、0と1で作られたデータ。
魔獣操師とは、不遇なネタ職業。
そのはずだったのに。
陽之は知らなかった。
旅の全てが、大いなる意志によって仕組まれていたことに。
契約魔獣を巡る数奇な旅の果て、陽之は問われる。
自分は一体何者なのか、と。
これは、ある男が「異世界の魔獣操師」として世界の敵になるまでの物語。
食い違うゲームの記憶と世界への違和感。
人間の姿を得た契約魔獣たち。
暗躍する"異世界"の勇者。
聖教国と魔族の対立。
自分以外存在しない魔獣操師、存在しないはずのスキル。
旅の全ては繋がっている。
そして、いつか誰もが”自分は何者か”を決める時が来る――たとえそれが、望まぬ選択でも。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※当作品はカクヨム、ノベルアップにおいても重複投稿しています。
※正式タイトルは「異世界の魔獣操師」です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-11 20:04:21
214930文字
会話率:30%