一人の少女の書いた日記
私のもつものより少しだけ内容を削られたそれは
この国で一番の、英雄譚。
彼女は誰よりも勇敢で、優しく、決して諦めませんでした。
優しく国民に接し、大切に想い、ひたすらに前へ歩き続けていた彼女。
敵を前にすれば、誰も
が驚く程の力と技を振るい、守るための意志を刀に込め、ただひたすらに未来を切り開いていく。
その姿はまさに、『英雄』なのでした。
私は、私だけは知っています。
彼女はたった一つの想いを胸に抱いていました。
彼女の赤い瞳は常に煌き、赤い髪は燃える魂を表現するかのようでした。
どんなに傷つこうとも、どんなに苦境に立たされようとも、前に歩き続けた彼女。
他の誰よりも、この世界を愛してくれた彼女。
誰もが彼女を英雄、勇者、天使と持て囃します。
でも……彼女は、本当は……―――。
この物語は彼女が歩んだ世界の話。
彼女が見た世界、接した人、歩いた道。
彼女と共に歩んだ私は今日も1ページ、日記をめくる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-14 09:00:00
3093280文字
会話率:53%