近過去のこと。
かつて人類は、「温暖化」ではなく、「氷河期」という困難な時代をむかえていたが…さらに「極移動《ポール・シフト》」による、未曾有の大災厄に襲われることになった。
それによって引き起こされた大洪水で、全地表を洗われた地球は
、崩壊した原子力施設から放出される放射能と、生き返ろうとする草木の放つ強烈な花粉の嵐で、とても人間が生活できるような状態ではなくなっていた。
唯一の「居住可能領域《ハビタブル・ゾーン》」=生き残った人々が暮らす地下都市は、復興の途上にあったものの…そんな環境下の世界で生まれ育った「俺」は、今では日常生活に欠かせない物となった「空気圧縮機《エアー・コンプレッサー》」の整備を生業《なりわい》とする、しがない機械工。人生のハイライトと言えば、無気力化が進む現代人の中にあって、許婚者《フィアンセ》と結ばれたことくらいだが…そんな、ある日。生活用空気に、毒物を混入させようとするテロ事件に出くわす。
でも、まだこの段階では、単なる目撃者でしかなかった。しかし直後に、通常の業務とは、少し違った仕事が舞い込む。そこで出会った清掃工場の女所長。仕組まれるままに、男女の関係を持ってしまうが…彼女の正体は、現政権に反旗を翻す地下組織の女首領? 俺は、清掃工場に拉致・監禁されてしまう。
だがそこに、真の悪党どもの手が伸びる。実は彼女は、地下世界の覇権を握ろうと暗躍する政治家一味に抵抗する、反抗組織《レジスタンス》の指導者だったからだ。
襲撃に遭い、命からがら禁断の地「地上」へと逃げ出した俺と彼女は…いくたの試練をくぐり抜け、地下都市へと帰り着く。
頼りになる仕事の相棒の手も借り、お手製の武器を次々と繰り出しては、ここから反攻の狼煙《ノロシ》を上げるが…近未来の「大洪水時代」を生き延びた後《のち》の人類の、ささやかな抗争の物語の結末は…?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-29 12:10:00
213886文字
会話率:41%
萌えの力をエネルギーに変えてバズーカ砲を放つことができる猫屋敷りんは、半獣人の王国に脅威をもたらしていた尾耳鬼をバズーカで蹴散らして国を救った英雄だ。
だが、過去に「たいへんな無体」を働いたことから、王子ライオネルには嫌われていた。
王国を
救って一年がたったある日、りんは王からライオネルとの結婚を言い渡される。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-29 22:18:19
20856文字
会話率:22%
地球資源が枯渇した未来。人類は資源を巡る戦争と環境汚染によって荒廃した地球を捨てて生活の場を火星に移し、そこで新たな栄華を築きつつあった。 そんな火星社会の中、かつて地球上で最強の戦力と目された人型機動兵器『ジャケット』の整備調整をして生活
を立てていたライチ・ライフィールドは、ひょんな事からフリーのジャケット操縦者ジンジャー・バーリィと共に地球に降下するハメに。 それは過去の地球に溢れていた自然の風景を取り戻すために火星の人間たちがかねてより実行していた、地球緑化計画の特別隊員として任務を遂行するためであった。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-12-28 17:29:57
772111文字
会話率:58%