三宅町市は令和の大合併で、山を越えた白上市と合併した大きな町。
しかしながら、三宅町と白上の合間には、伊地山と二ノ山からなる急峻な山岳地帯があり、この合間を縫うように流れる美奈川渓谷に沿って走る三宅町鉄道と、トラックやバスも走れない片側1
車線の道路。トンネル工事やバイパス工事も試みられるも、厚い岩盤、破砕帯、大規模災害誘発により、令和の今、そのような計画は立ち上がらない。
結果、同じ町なのに、陸の孤島が生まれた妙な町になってしまった三宅町市。
ところが、白上は石灰岩やセメントの産出地。更に、白上ダムや発電所のため、多くの人が住む町。
貨物輸送や人為輸送のため、鉄道は欠かせない。
そんな街に、HONDA CT125ハンターカブに乗って、夢半ばにして挫折し、第二の人生を歩むため、水沼カイはやって来た。
両親無し、友達無し、親戚無し。
ただ、この町の富豪の家令に招かれて、やって来た。
そして、水沼カイの新しい生活が今、始まろうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-18 13:23:04
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会話率:32%