遥かなる昔、アースという星に、魔術の使える者と、魔術の使えない者が暮らしていた。
魔術の使える者は、使えない者を支えるという信念の基で暮らしていたが、使えない者から恐れられていた。
魔術を使える者は新たなる世界セカテロス界を創世して、
その世界に住むことにした。
だが魔女ソフィスが、セカテロス界を闇の世界にしてしまう。
セカテロス界を創世したオッドアイの瞳を持つゼファーは、再び世界を創る。
それがサードリット界。偉大な魔術の存在で保たれた世界である。
サードリット界は、偉大なる魔術を保つため、偉大な魔術を持つ聖王(聖女王)のもとに強力な魔術を持つ者が後宮入りし、聖王妃(聖大公)を決めて、子孫を残しサードリット界を保っていた。
時代を重ね、徐々に強力な魔術士が少なくなってしまった中で、サードリット界を創世したゼファーと同じオッドアイの瞳を持つ聖王スチュアートが生まれる。
喜びの束の間、魔女ソフィスの生まれ変わりと言われるフランネル国第二王女ティアーナが生まれる。
ティアーナは、自身が魔女の生まれ変わりと意識し、魔女の力を解放しないように魔術を極力使わず、ほとんど精霊術を使って生活をしていた。
そして、母の実家のウェリーネ国のアジュガ王家の密偵家業の技術も磨き、ウェリーネ国からアスターナイトという、特別な称号を貰うほどに成長をする。
それは、王家の位を捨てて庶民ライフを過ごすための布石であった。
聖王の成人を迎える年、ティアーナは家出を決行するが、母エルミリアによって捕まってしまう。
「庶民の暮らしが今のままでいいと思うの?」
と、言うエルミリアに何も言えないでいた。国の現状が思わしくないからだ。
「聖王に、国の現状を伝えてからでも遅くないのでは?」
その一言で、ティアーナは後宮入りをする。
魔女の生まれ変わりと言われていようが、聖王を真実の名君にするためにティアーナは奮闘すると決めたのだ。
その先に、素敵な庶民ライフが待っているから。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-10 00:10:14
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