『タツロー様__チェレミーは、これからもずっとタツロー様にお仕え致しますわ。身分の違いが何でございましょう。わたくしは、生涯タツロー様のおそばを離れまいと、堅く心に誓ってございます』蒸気機関が実用化されて四半世紀、時代は産業革命によって齎さ
れた経済発展の真っただ中__タツロー・コガは、腕一本を頼りにそんな時代を浮草のように当ても無くさまよう流浪の武芸者だった。そんな彼が草鞋を脱いだ先は王制国家ライマーダの領主、カーバルダ伯爵の屋敷。しかし、伯爵の一人娘チェレミーが……武術以外に何一つ取り柄の無い筋金入りの甲斐性無しタツローと、メイドコスプレに身を包んだ伯爵令嬢チェレミーの、愛と激動の日々をつづった問題作?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-04-27 20:17:28
37345文字
会話率:49%
デッドヒット__素手でさえあればどこをどのように攻撃しようと自由、一切禁じ手の無い仕合いを人々はこのように呼んだ。元々は試合形式の事を指した用語ではない。試合の最中に死亡事故が発生した場合、その原因になったと思われる攻撃を指してこのように呼
んだ、仲間内の隠語(スラング)である。チェレミーの前ではいいとこ無しのタツローですが、彼のもう一つの顔も見てやって下さい。只の昼行燈ではない、タツローのもう一つの顔を。短編によるオムニバス形式ですので、話の順序や進行はてんでバラバラです、予め御了承下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-01-21 23:18:35
27030文字
会話率:12%