京都祇園の古美術商「月詠堂」の3代目見習い 月詠旅人(つくよみたびと)は18歳の誕生日に7年前、今際の際に父が語った予言の真実を告げられる。
それは自分に遺伝している時空跳躍能力のことだった。
「時間跳躍(ダイブ)」から知る隠された真実に戸
惑いながら、旅人(たびと)に問われる「守りたいもの」とは。
人生の価値を決める旅が今、始まる。
これは時を超えて繋がる家族の物語……。
時空跳躍9条件
①時空跳躍(ダイブ)は満月(十五夜、十六夜)の48時間内に限られる。
②時空跳躍(ダイブ)には跳躍能力者(ダイバー)が撮った写真(ログ)が必要である。
③帰還跳躍(リターンダイブ)には元時点(オリジナルポイント)の写真(ログ)が必要である。
④帰還跳躍(リターンダイブ)に際しては過去時点(パストポイント)での月齢に基づく。
⑤過去時点(パストポイント)で撮った写真(ログ)を元時点(オリジナルポイント)に持ち帰れない。
⑥共にダイブ可能な重量は自身の体重2倍までである。
⑦1ケ月以上、過去時点(パストポイント)に滞在すると元時点(オリジナルポイント)に戻れない。
⑧30歳前後で時空跳躍(ダイブ)能力は失われると思われる。
⑨タイムパラドックスという事象は確認されていない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-12-06 23:00:00
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