『尊ちゃん、たすけ……』
『誰か! じいちゃん! 命が! 命が……!』
神薙命(かんなぎ みこと)が十五歳の誕生日を迎えたその日、洞ノ木神社の御神体が引き裂けるように割れ、どこまでも続く暗い<穴>が現れた。
命は幼馴染である神守尊(かも
り たける)の目の前で<穴>へと吸い込まれ、連れ去られてしまった。
警察も自衛隊もなすすべもない中、尊の実家である剣道道場に狩衣姿の老人が現れた。
祖父は尊を呼び出すと「言祝様(ことほぎ さま)のお達しがあった」として、
家宝である<ムラマサ>を差し出し「命ちゃんの救出に向かえ」と言う。
なし崩し的に命の捜索隊となった尊は、陰陽師の少女・言祝誉(ことほぎ ほまれ)と自衛官の陣内護(じんない まもる)と一緒に<穴>に潜ることとなった。
一行がダンジョンを探索していると、エルフの女君主・ローザ、ノームの司祭・エド、ショートフットの罠師・ルックと出会った。
剣と魔法の世界からやってきたような彼らの話によると、尊たちの住む世界(現代日本)とローザたちの住む世界は対をなしており、この<ダンジョン>は世界と世界の狭間にあるという。
そして<ダンジョン>出現の理由は「魔王復活の儀式を執り行うため」であり「命と、ローザの婚約者であるリュミエルが生贄として最下層に囚われている」ということを尊たちは知った。
儀式が行われるダンジョン最下層の玄室に入るためには<護衛者の鎧>をまとわねばならないという。
しかし、その鎧はモンスターと化してダンジョン内をさまよっているそうだ。
儀式が執り行われるまで、あと半年──。
果たして、尊は命を救うことができるのだろうか?
※いいタイトルが思いつかなかったので、このタイトルは仮です。すみません!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-14 23:56:49
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会話率:58%