生まれつき不幸に愛されて、おかげで人にはあんまり愛されない私、八岐紅紫名(やまたくしな)。
そんな私は、昔からときどき記憶が曖昧になることがある。
それはどれも誕生日の日で、命に関わる事故だとか無理やり純潔を奪われそうなときだとか、そうい
う特大の不幸の前後の記憶が曖昧になる。
けど、身体には怪我の1つもないし、純潔も変わってない。
かといって夢ってわけじゃないらしい。
何が起きてるのかわからなくて。病気かと思ったけどそうでもなくて。
ずっと怖かったんだけど、最近ようやく気づいた。
大学の後輩、真黒明日(まくろあした)くんが、私の人生のピンチを何度も救ってくれたヒーローさまで、彼がその正体を知られないために私の記憶を消したんじゃないかって。
調べてみたらちゃんと証拠も集まってきた。
今日はバレンタイン。今まであんまり縁の無い日だったけど、今日からは私がヒーローさまにトドメを刺した大事な日になる。
私と明日くんの結婚記念日になる。
大好きよ明日くん。だけど、数少ない私の幸せな記憶を奪ってきたこと、憎くて仕方ないの。
だから、私のたくさんの愛と恨みとその他いろんなものを詰め込んだチョコのお注射を準備しました!
どうか受け取ってね。
ハッピーバレンタイン♪
※小説家になろう様、カクヨム様で同時に投稿させていただいております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-20 18:00:00
14249文字
会話率:48%