かつて世界を救った勇者アレンは、魔王を討伐したことで英雄と讃えられた。だが、「これからは戦いなんてゴメンだ」と、すべてを捨てて辺境の村に移り住むことにした。アレンが目指すのはただ一つ、のんびり農業をして平和に暮らすこと――そう、スローライフ
だった。
「畑を耕して、野菜を育てて、平和に暮らすんだ。もう戦わなくていい……最高じゃないか」
だが、その願いはあっさりと打ち砕かれる。
ある日、畑の前に突如として現れたのは――魔王軍。
「我らが陛下! ついにお目覚めになられましたか!」
「……誰?」
「我らは、真の力を持つ新たな魔王に忠誠を誓います!!」
アレンが魔王を討伐したことで、魔王軍は「力こそが王にふさわしい」という結論に達し、アレンを新たな魔王と認定してしまったのだ。ケルベロス(もふもふ犬型)は膝の上に乗りたがり、サキュバスのリリスは色仕掛けで迫ってくる。さらにはドラゴンが畑を「陛下の神聖な農地」として守り、オークは「陛下の食事は最高級でなければ!」と過剰に張り切る始末。
「俺は野菜を育ててのんびりしたいだけだって!!」
しかし、魔王軍はそんな主人公の声をまるで聞いていなかった。「陛下が畑を守るためには強力な軍備が必要です!」と、勝手に国を作り始め、領土を拡張し、隣国を次々と制圧。知らぬ間に「勇者アレンの農地」が「魔王アレンの大帝国」へと変貌していく。
さらに、勇者時代の仲間たちは「魔王軍が活動を再開したのはアレンが裏で操っているに違いない!」と勘違い。勇者パーティはアレンを討伐しようと動き出すが――
「陛下に刃を向けるなど、愚か者!!」
「フン、蹴散らしてやる!」
「いや、だから俺はスローライフがしたいだけなんだって!!」
――結果、魔王軍が勇者パーティを一蹴し、さらに勢力を広げてしまう。
結果的にアレンは「最強の魔王」として崇められ、魔王軍により国家は統一され、世界に平和が訪れる。
「いやいやいや! 俺、野菜作ってただけだから!!」
最後にはヒロイン(リリス、サキュバス、ドラゴン)が争うようにアレンを取り合い、ケルベロスは膝に乗って甘え、村人からは「陛下!」と崇められる始末。
本人は「スローライフをしたいだけ」なのに、気がついたら最強魔王として世界を征服していた――そんな無自覚最強主人公のギャグスローライフ譚が今始まる!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 19:07:04
63614文字
会話率:48%
「でたな! 魔王、今日こそ決着をつける!」
「ハハッ! 言うではないか勇者風情が!」
「うるせぇ! 店の前で変な事してんじゃねぇ!」
「「ひぅ、すいません」」
俺と魔王はまるで息の合った夫婦の如く同時に店員へと土下座をする。
俺は勇
者……すでに自分の名前なんて覚えていない。
俺と魔王はある事情により四百年戦い続け人類と魔族の幸せを願っていた。
そして四百年ぶりに外に出ると……そこには俺達は不要な存在になっていた。
ちょっとひどくない?
そんな事を思いつつ俺は仕方なく元仲間の魔法使いの家で厄介になり、職を探すが見つからない。
そんな中、俺が四百年という長い間戦い続ける原因になった小さな神様の提案により、勇者と魔王が必要とされる世界に転移することになる。
俺達一行が転移した先で見たのは…………誰でも勇者になれる世界――
俺はそこで勇者の最高のランクである「神話級」と言われる。
だが俺は「世界を救う者」にはすでに興味がなく、ファルス王国でどうやってのんびりと過ごせるかを考える。
魔王と魔法使いの末っ子、そしてファルス王国で仲間になった二人の女性と共に色々なクエストをこなしていく。
時には勇者らしからぬ卑怯な手も使いながら、俺はどうしたら楽にこの世界で生きていけるかを考えつつ聖剣を片手に握りしめ、リンゴ酒を飲みながら戦い続ける。
前のタイトル:勇者と魔王は穀潰し ――異世界行ったら本気出す? 冗談はよしてくれ――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-10 15:23:37
612806文字
会話率:58%
小学生にバカにされ、追いかけていたところスクーターにひかれ運悪く死亡してしまった表裏明人。その後唐突に明人は異世界に来てしまった。そこで出会ったのは家出中の魔王の娘、ミレイナ・ネル・アウストローネ。彼女の命を助けたことにより、同居することに
なった二人。だが、早速お金に困ってしまう。そこで明人の提案によりお悩み相談の仕事を立ち上げることになった。
お悩み相談をしながらほのぼのと暮らすギャグスローライフ物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-14 01:42:32
45719文字
会話率:34%