「我々人工種には、最初からタグリング(首輪)が付けられた。そして人形のような生き方を教えられた。だから皆それしか知らない。という事は、タグリングを外した所で自由になるとは限らない。……逆に言えば、例えこれがあったとしても、どうしたら自由に生
きられるのか、本来の自分らしい生き方とは何か、それを個々人が自分で模索し、その方向へ進んだ時に、自由になれる可能性がある。」
……「原初の星」と呼ばれる星で、「イェソド鉱石」を採る為に人間に作られた「人工種」。彼らは「タグリング」という首輪で人間に管理されていて、土地移動や職の自由が制限されている代わりに「成果」さえ出せば厚遇される。
即ち人間にとって都合の良い存在でいる事を多くの人工種達が「幸せ」と思い、多少の疑問はあれど「そういうものだ」と諦める中、どうしても納得できない人工種が居た。
「心を侵略されたらバリアなんざ張れねぇよ」
人工種の中でも珍しいバリア能力を持つ穣は、幼少期から「自由」を求めて「反抗」を続けて来たが、それに対して管理の人間達は優しく「こんなに優遇してあげているのに」「人工種の事を大切に思ってるんだ」と穣に罪悪感を植え付ける。
相手が極悪非道な奴であるなら正々堂々勝負できるのに
相手が「善人」であるならば、こっちが「悪」になるしかない。
しかし管理の人間達は、穣を「悪」から救う為に、穣に「お目付け役」を付けてしまう。
「悪」にもなれず「自由」にもなれず絶望する穣。
果たして穣は、人工種達は、「自由」になる事が出来るのか?
……変化の波紋は大きく広がり、果ては世界を揺らす大波になる。
これは「自由への回帰の物語」
※この作品は「紺碧の採掘師・シナリオ版」を大幅にリニューアルして「小説版」にしたものです。「小説的な書き方」には慣れていないので文章的に未熟な面は多々ありますが、楽しんで頂ければと思います。
※第1章のみ、挿絵が入っています。
※「キャラクター設定画集」もあります。
※個人サイト「紺碧の採掘師」の他に「NOVEL DAYS」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-29 18:30:56
506799文字
会話率:56%