いつか、そう遠くない近未来のニッポン。
『絶対速度感』という特殊能力を持つ「大陸育ち」の若手カー・レーサーは、将来を嘱望されていたが…大事故を機に、その世界から姿を消す。
忌まわしい事故から、十年ほどの月日が経過した頃。時は移ろい・世界
が変わっていく中で、いつしか、すっかり様変わりしたスポーツの世界は、「世界最強」を謳う新興の団体が、あらゆる競技で人気を博していた。そこではドーピングばかりでなく、外科的な人体改造までが許されており、究極の人造人間が、限界の戦いを繰り広げていたからだ。
一方で男は、とある地方の田舎町で、過去を捨て、食堂の主人となり、妻と中学生の娘とともに暮らしていた。火傷で本来の顔まで失い、あの事故の時、同い年の音大生だった妻のお腹に宿っていた娘は、生まれながらに盲目だったが…形成美容の発展のおかげで人並みの容貌を取り戻し、それなりに幸せな日々を送っていた男。しかし、平凡で退屈な毎日。
そんな折り。フトしたことから知り合った、かつてウエイト・リフティングの選手だったという女性との出会いが、過去と決別した男の心に、再び火をつける。
事故の後遺症で、男としての役目を果たせなくなった男と、ドーピングの副作用で、女としての機能を失った女。密かに再起を期す男と、トレーナーとしての再出発を目指す女。お互いの野望が重なった時、二人の「二人三脚」が始まる。女が男のカムバックを後押しし、復活の狼煙が上がる。
栄光か挫折か? 身体と心の傷が癒えた男の再起をかけた戦いが、いま始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-05 19:05:30
176122文字
会話率:35%
【予告編】
ロータリィ・エンジンを駆る駿へチェッカ・フラグ――が。
「撤退ィ!?」無情な宣告。
「モータが相手になったら?」冷たい事実。
その時、救い主が現れた――かに見えた。「モータ車に勝ちなさい」
『歯車オーヴァードライヴ』
エンジンの意地を懸けて――いざ勝負!
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~美風慶伍様主催・掌編小説コンペ第1回『11枚小説』参加作品~折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-21 00:03:52
4006文字
会話率:41%