30代後半の「落ちこぼれ」社員、桜木裕二の生業は、キャンプカーで日本中を旅しながらSNSで会社の宣伝をする「旅する宣伝部員」。彼の配信は地味で再生数も少ないが、飾らない旅の様子が一部のコアなファンに「心の癒し」を与えていた。実は、彼がクビに
ならないのは、会社の社長が彼の「本物のブランドイメージ」に魅せられ、密かに支援しているから。上司は胃痛が絶えないものの、その理由は誰も知らない。裕二の無自覚な「山下清」のような才能は、訪れる潰れかけのキャンプ場を後に繁盛させるという噂が、SNS分析家の間で囁かれ始めていた。
初夏、地域活性化イベントのため山間のキャンプ場を訪れた裕二は、そこで働く美しい吉川綾乃と出会い、一目惚れする。都会での過酷な競争に疲弊し、家業のキャンプ場の未来を模索する綾乃の真摯な姿に心を惹かれた裕二は、彼女のキャンプ場を配信で紹介することを申し出る。二人の間には、淡く温かい感情が芽生え始める。
しかし、イベント準備の佳境で、裕二の破天荒さが露呈。大事なPR動画を消し、オンライン会議をすっぽかし、さらには「個人的に気になる穴場キャンプ場」への寄り道で連絡不通に。彼の度重なる行動に、綾乃やイベント関係者は激怒し、クビを宣告される寸前となる。さらに、彼の配信によるキャンプ場の集客効果はすぐには現れず、周囲からは期待外れと評価され、上司の胃痛は悪化の一途を辿る。
まさに絶体絶命のその時、裕二の配信に潜む「山下清」的な「絵」(写真や映像)の価値に気づいたコアなファンたちが動き出す。彼らがSNSでイベントやキャンプ場への応援コメントや予約を大量に発信したことで、裕二の投稿した風景が爆発的に拡散。「本物」の魅力がバズを呼び、綾乃のキャンプ場は奇跡的に大逆転を果たす。綾乃の父親や地元の事業主からも高評価を得て、社長の密かな介入も相まって、裕二はクビを免れる。
イベントが成功に終わり、綾乃は東京へ戻る。裕二は精一杯の想いを伝えるが、彼女は裕二の自由な生き方を尊重し、自ら身を引くことを選ぶ。失恋に一時的に落ち込む裕二だが、持ち前の飄々とした笑顔を取り戻し、「ま、俺には旅があるしな!」と、再び新たな旅路へ。社長やファン、そして今回彼を受け入れてくれた地方の人々に支えられ、桜木裕二の「現代版 男はつらいよバカ日誌」は、これからも続いていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 22:25:19
4970文字
会話率:0%
ある日、一隻の宇宙船が地球に着陸した。その現場には政府関係者、マスコミ、野次馬などが集まったのだが……
「まさか、地球の土地権利書を持ってくるとはな……」
緊張の面持ちで出迎えた彼らに、宇宙人が差し出した手は握手のためではなく、【地
球の土地権利書】を見せるためだった。
宇宙人から身振り手振りや絵を用いた説明を受けたところ、これは一国だけで判断を下せるような問題ではないと判断した。よって、政府関係者は宇宙人たちをホテルに案内し、少し時間をもらうと、各国の首脳に連絡を取って緊急オンライン会議を開いた。
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最終更新:2024-09-08 11:00:00
2659文字
会話率:92%
昔々あるところに浦島太郎という成年がいました。
会社に通う途中、虐められている亀を見つめました。
浦島太郎は子供たちにコンプライアンスについて講義し亀を助けました。
最終更新:2022-11-24 14:35:24
801文字
会話率:0%
吸血鬼はカメラに映れない。オンライン会議では顔を出すことができない。
そのことに疎外感を感じ、少しだけ「普通」を願った吸血鬼とその末路。
※この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
最終更新:2021-11-15 05:39:08
8000文字
会話率:30%
『人気ファンタジー作家・水野が書いた初の猫小説! ひまわり町の猫をまとめる猫役員のオンライン会議!』
ひまわり町には猫役員がいる。
ひまわり町の猫たちをまとめる猫役員たちだ。
そんな彼らもオンラインで会議を始めた。
最初のオンライン会議
の様子はーー。
一世を風靡した人気ファンタジー作家・水野が描く初の猫小説。新シリーズが開幕。
ーー『あらすじ』より転記。
という作品、あらすじ、帯をイメージして書きました。
※他サイトにも掲載しています
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-07 09:00:00
7053文字
会話率:39%