「おい……この曲まるで……。」
最終更新:2024-09-11 00:02:06
1247文字
会話率:50%
機械感能力者の沢村博二が精神間能力者の西田承子にホヤを食材に出された夕食時、時間計測研究所の関谷助手から映話が入った。用件はアリゾナ州リチアに発生した時間風観測隊への参加要請。参加者は関谷を含む計七人と機械知性一台。西田承子の同行を条件に
沢村はその要請を受けた。その日の夜、沢村は兄に関する悪夢を見た。彼には奇病のため機械として生きるしかなかった兄の死に対してトラウマがあった。特別チャーター便の発着する空港へ向かう途中、沢村と承子は事故に遭遇した。だが、沢村の機械感応力のおかげで事なきを得た。
リチア。そこは、ひたすら暑い場所だった。低い丘を越えると、半径六十キロの時間風半球が一望のもとに見渡せた。沢村たちが先に到着していた科学者たちからデータを供与されていたとき、時間風半球内に高さ二〇キロにもおよぶ物理現象テンポブロッケンが発生した。その日の夕食にはイタリア政府からホヤが供与された。
新東西陣営の対立下にアメリカ政府が常識では考え難いこの全世界合同観測パーティを認めた理由は、沢村にも容易に想像がついた。彼らは時間風と超能力の関係に薄々勘づいていたのだ。だが、その方程式が見つけられない。そこで彼らは各国一流の時間風学者たちを一同のもとに寄せ集め、自国の超能力者を使って、その頭の中から方程式を探り出そうと画策したのだった。もちろん対立陣営もまったく同じことを考えていた。それが、ここ砂漠の土地リチアに最上級の超能力者たちが集まってきた理由のはずだった。
一方……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-05 06:03:52
36100文字
会話率:34%