「終末が来る」
そう信じた組織の「ママ」に誘拐され、「僕」と「姉」は地下シェルターに閉じ込められていた。
二人は光の力を秘めた存在で、悪魔を撃退するための鍵なのだという。
あるとき「姉」は告げた。
「世界の壊れる夢を見たわ」
その言葉通り、
世界は本当に壊れてしまう。
混乱に乗じ、地上へ脱出する「僕」。
すでに悪魔の姿はなかった。
代わりに待ち受けていたのは破壊された東京。
自分勝手な人間たち。
「僕」は得体の知れない力を抱えながら、目的もなく世界をさまようことになる。
誰かを殺してもいいし、殺さなくてもいい。
誰かを救済してもいいし、見捨ててもいい。
力を使うたび、空間の裂け目からなにかの存在が語りかけてくる。それは本来、悪魔と戦うための力。しかし正体が分からない。
やがて組織の手先がやってきて、「僕」を連れ戻そうとする。
「僕」は人生に倦んでいた。
なにもかもを力で切り裂いてしまうことができる。
「僕」にはそれをしない「理由」が必要だった。
※不定期更新です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-05 21:00:00
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